第173回(2025年上半期)芥川賞・直木賞の候補作品が発表されました。
ネットやSNSでも受賞作の予想やお気に入り作品の話題がてんこもり。本屋さんの店頭には直木賞候補の書籍が並んでいました。すでに品薄の場合もあるようです。

芥川賞、直木賞・・・よく耳にするけどどんな賞?
直木賞と芥川賞は、日本の文学界において最も権威のある文学賞の一つとされ、受賞は作家にとって大きな名誉となります。
賞の名前はテレビやニュースでよく聞くけれど、ちゃんと知らない方もいらっしゃると思います。
どんな賞か知っていると、一段と楽しめること間違いなし!
芥川賞とは
正式名称は芥川龍之介賞(あくたがわりゅうのすけしょう)、通称芥川賞(あくたがわしょう)とよばれます。
芥川龍之介の業績を記念して創設されました。

芥川龍之介さんの作品といえば「羅生門」や「蜘蛛の巣」♪
対象の作家と作品:純文学の新人作家。雑誌に掲載された純文学の中・短編作品
目的:新人作家の育成と純文学の発展
創設者:文藝春秋の初代社長 菊池寛 氏
選考:2回、選考委員によって選考が行われる
賞金:正賞は懐中時計、副賞は100万円
掲載:受賞作は「文藝春秋」に掲載される
他:新人作家の登竜門として知られています

純文学とは、芸術性や文章の美しさを重視する文学ジャンルです
直木賞とは
正式名称は直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)、通称直木賞(なおきしょう)とよばれます。
作家の直木三十五の功績を記念して、芥川賞と同時に昭和10年(1935年)に創設されました。
対象の作家と作品:新進・中堅作家によるエンターテインメント作品(長編小説、短編集など)
目的:大衆文学の分野で活躍する新進・中堅作家の才能を発掘し、その業績を称える文学賞
創設者:文藝春秋の初代社長 菊池寛 氏
選考:年2回、文藝春秋社が主催
賞金:正賞は懐中時計、副賞は100万円
掲載:受賞作は「オール讀物」に掲載される

物語性や時代小説、ミステリーなど幅広いジャンルから選考されます
芥川賞と直木賞の違いとは
芥川賞は純文学、直木賞は大衆文学(エンターテインメント小説)が対象です。
芥川賞は主に新人の純文学作家を対象とし、直木賞は新人・中堅のエンターテインメント作家を対象とします。
芥川賞は雑誌掲載作品、直木賞は単行本が対象です。

原則、ひとつの作品で両方の賞を受賞することは出来ません
第173回 芥川賞・直木賞 候補作品
- 第173回芥川賞 候補作
グレゴリー・ケズナジャット「トラジェクトリー」(文學界 2025年6月号 / 電子版)
駒田隼也「鳥の夢の場合」(群像 6月号)
向坂くじら「踊れ、愛より痛いほうへ 」(文藝 春季号 電子版)
日比野コレコ「たえまない光の足し算」(文學界 2025年6月号 / 電子版)
- 第173回直木賞 候補作
逢坂冬馬さんの「ブレイクショットの軌跡」
青柳碧人さんの「乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO」
芦沢央さんの「嘘と隣人」
塩田武士さんの「踊りつかれて」
夏木志朋さんの「Nの逸脱」
柚月裕子さんの「逃亡者は北へ向かう」
気になる選考会はいつ?
2025年7月16日(水)予定
まとめ
受賞発表前に読んでみるのもおすすめです。
どの作品が受賞されるか、予想しながら楽しみに待ちましょう!
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