今月読んだ本の中から8冊をご紹介。
読んでみたいな!と気になる本があるとうれしいです。
目次
ババヤガの夜 王谷晶
- ジャンル
ミステリー
「シスターフッド」(女性の連帯)がテーマ
- あらすじ
暴力が趣味の新道依子は、暴力団にその喧嘩の腕を買われる。会長が溺愛する一人娘尚子の運転手兼護衛を任されるが、尚子の置かれている状況を知り・・・
- そのほか
英国推理作家協会賞「ダガー賞」の翻訳部門を受賞
- ひとことレビュー
私にとってあまり馴染みがない暴力団もの、加えてワイルドな装丁から、物語に入り込めるか不安があったけれどまったく問題なし。依子の風貌からはイメージできないまっすぐで優しい性格も魅力的。ミステリー要素も楽しめた。ページ数は200ページ弱と多くはない一冊に、おもしろさがしっかり詰まっている。
汝、星のごとく 凪良ゆう
- ジャンル
恋愛小説
- あらすじ
舞台は瀬戸内の小さな島。父親が出ていき母親と二人くらしの暁海と、自由奔放な母親と島に越してきた櫂。心に孤独を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
- そのほか
2023年本屋大賞受賞作
第168回直木賞候補作
映画化(2026年予定)
- ひとことレビュー
本気の恋愛小説。本気で泣ける物語。どうしようもない足枷を持ちながらも、懸命に生きようとする二人。喜びも悲しみも生きづらさも、繊細な描写に胸が苦しくなる。「自立とはなにか」と考えることもできる。
星を編む 凪良ゆう
- ジャンル
恋愛小説
- あらすじ
≪春に翔ぶ≫≪星を編む≫≪波を渡る≫の3章から綴られる、『汝、星のごとく』スピンオフ作品。
- そのほか
『汝、星のごとく』続編
- ひとことレビュー
気になっていた北原先生と菜々さんのストーリーが読める。暁海と櫂はたくさんの人たちに支えられて愛されていたんだなとうれしくなる一冊。
世界99 上下 村田沙耶香
- ジャンル
ディストピアフィクション
- あらすじ
相手に合わせて「呼応」「トレース」が得意な空子は、安全に楽に過ごすために分裂を繰り返す。ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声のペット、ピョコルン。技術が進みある能力を備えたことで、世の中は変化する。
- そのほか
文芸誌「すばる」に3年以上にわたって連載された長編小説。
- ひとことレビュー
完全なるフィクションだけど、人間の特性や醜い部分を思いっきりぶちまけたような小説。村田沙耶香さん独特のSFもあって、時代に流され適応していく人間の様はなんとも言えない。この世界でどの生き方が正解だったのか未だにわからない。
一次元の挿し木 松下龍之介
- ジャンル
ミステリー
- あらすじ
ヒマラヤ山中で発掘された約200年前の人骨と4年前に失踪した妹のものとDNAが一致。真相を突き止めるべく動き出すが・・・
- そのほか
2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞
- ひとことレビュー
ミステリー好きにはたまらないあらすじで、SNSでは”ちゃぽん”という謎の正体が話題になっていた。紫陽花と人骨という美しい装丁もよい。テンポのよいストーリー展開に、語り手が誰なのか、そしていつなのかが明記されていて、ミステリー初心者さんにも読みやすい。
私たちが轢かなかった鹿 井上荒野
- ジャンル
小説
- あらすじ
開けたら最後、劇薬小説集
彼女は私の親友で、私の男の母親……「私たちが轢かなかった鹿」
他4篇「不幸の****」「犬の名前」「つまらない掛け時計」「小説みたいなことは起こらない」
- そのほか
ドラマ化の話題書 『照子と瑠衣』の著者 最新作
- ひとことレビュー
ひとつの事柄をふたりの人物の視点で語っていく。同じ出来事でも視点が違うとこんなに捉え方が変わってしまうのかと驚いた。次の語り手は誰だろうと推測しながら読むのも楽しい。
踊れ、愛より痛いほうへ 向坂くじら
- ジャンル
小説
- あらすじ
幼い頃から納得できないことがあると「割れる」アンノ。愛情に嫌悪し、生まれてこなかった妹の存在が忘れられない。”あーちゃん”との出会いでアンノは・・・
- そのほか
第173回芥川賞の候補作
- ひとことレビュー
まっすぐで純粋なアンノだからエネルギーを持て余す。アンノの言葉を丁寧に読み解いて、味わいたい物語。
女子のコミュ力 小田桐あさぎ
- ジャンル
ビジネス、コミュニケーション、自己啓発
- あらすじ
第1章 なぜ私たちの人間関係はこじれるの?
第2章 我慢と犠牲は、やめたほうがうまくいく
第3章 願いを叶えるコミュ力6つのレッスン
第4章 嫌な人が勝手にいなくなる極意
第5章 ケース別のお悩み解決策
- そのほか
- ひとことレビュー
シンプルなアドバイスが多く参考になる一冊。もちろん賛同できない部分もあるが、著者が海外よりの思考の持ち主だからだろう。
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