【本感想】【鳥の夢の場合】(駒田隼也)

今回は駒田隼也さんの「鳥の夢の場合」を読みました。

デビュー作で芥川賞候補作にノミネート。

鳥の夢の場合
  • 第173回芥川賞候補作
目次

「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」
初瀬は、ルームシェア中の蓮見に頼まれる。
彼の胸に耳を当てても、心臓の音は聞こえない。

50本の葉巻を吸い終えるころ、初瀬はどうするのか。

ふたりと文鳥一羽の共同生活の行方は・・・

出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2025/7/16)
発売日 ‏ : ‎ 2025/7/16
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 152ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4065404258
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4065404256

はじめは誰の視点かわからなくなり読みづらいかもと思ったけれど、徐々にふわっとした不思議な感覚になっていきました。スツールを持って「場所」を探したり、初瀬が飼っている文鳥と、彼女自身の行動が重なってまたおかしな感覚に。

ふわふわと心地よくなる不思議な作品でした。

時間の感覚を鳥の感覚に乗せた表現がおもしろい。一番印象に残っているところです。

あるはずのものが見えないこと、逆に、ないはずのものが見えること。とても不思議だけど、誰もが体験したことがあるのでは。作家さんの手によって、こんなに幻想的な物語になるんですね。

この先、飛ばしたボールが見つからない時にはこの物語を思い出すような気がします。

鳥の服もあれば、ひとの服もあり、地球の服もあって、それは誰が着てもいいのだと思った。

鳥の夢の場合 著者:駒田隼也
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