今回は寺地 はるなさんの「リボンちゃん」を読みました。
装丁はタイトル通り、大きなリボンをつけた女の子のイラスト。目を惹きました!
寺地はるなさんデビュー10周年作品
- 今日のハチミツ、あしたの私
- 大人は泣かないと思っていた
- ガラスの海を渡る舟
- カレーの時間
あらすじ
伯母の加代子さんが営む小さなテーラーが物語の舞台。
頭のリボンがトレードマークで、加代子さんから「リボンちゃん」と呼ばれる33歳の百花が主人公。
ある日、百花は「下着のリメイク」の手伝いを頼まれる。
出版社 : 文藝春秋 (2025/7/10)
発売日 : 2025/7/10
言語 : 日本語
単行本 : 200ページ
ISBN-10 : 4163919945
ISBN-13 : 978-4163919942
感 想
タイトルやポップなデザインの表紙に惹かれて手に取りました。
たくさんの人が解釈できるであろう身近な「下着」が題材だけれど、「下着のリメイク」や「下着のオーダーメイド」は私にとって珍しい扱い方で新鮮でした。
この物語の主人公「リボンちゃん」こと百花がとても魅力的です。
相手のことをしっかり見るけど余計なことは言わない。
なにより人を見た目や偏見で決めつけない百花がかっこいい。
時々辛口なのもいい。
こうと決めたら周りに流されず突き進もうとする彼女を応援したくなります。
他にも素敵な大人たちが登場します。
最初のお客さんの保奈美さんが百花に失言をして、「今のは失礼だった」「ごめんね」と謝る。このシーンが印象的でした。
失言に気づいて謝る、当たり前のことだけど、それができる大人がどれだけいるだろう。
百花の勤め先の社長のキャラクターがよくて好きでしたよ!
この言葉好きだな、こういう風になりたいな、と多くの気づきをもらえる物語でした。
また、読んでいる間、ずっと優しい落ち着いた気持ちでいられました。こんな本、今までに読んだことがあったかな。
出会えてよかった!と思えた本です。
心に刺さった言葉
「人にはね、歴史があんの。ここにいる百花は百花自身の努力の成果なの」
「自分の好みを知ることって、心の奥を見つめることだよね。どれが好き?どう見せたい?どうなりたい?って、自分に問い続けるってこと」
リボンちゃん 著者:寺地 はるな
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